胃内バルーンについて
胃内バルーン留置術について

胃内バルーンは肥満患者のための厳密な医学的管理下における一時的な減量治療法であり、長期間の減量を保障するものではありません。また、挿入期間は最長6ヶ月で、それ以上留置した場合、バルーンが胃液などで劣化して腸閉塞や潰瘍などの合併症の危険性が高くなることが報告されています。
胃内バルーン留置の適応条件
胃内バルーンの手術を受けることができない方
手技の実際
手技にかかる時間は20~30分程度です。
- 胃酸の影響による劣化などによるバルーンの破裂などの危険性があるため、バルーンは最長でも6ヶ月までしか留置できません。通常、4ヶ月から6ヶ月の間に除去します。
- 海外の施設では外来処置として行われており、バルーン留置後しばらく患者さんの状態を見て問題がなければ帰宅するのが普通ですが当院では2泊3日の入院をしていただきます。
予測される効果
例えば、今体重が90キロの人の標準体重が60キロであれば、10キロから15キロくらいの減量が予測できます。(本人の努力によってはそれ以上の減量も可能です)。だいたい平均して15キロ~20キロの減量に成功しているようです。食事の量や食べ方などに注意していただく必要はありますが、それほど積極的な減量の努力をする必要なく減量ができます。
胃内バルーン留置術以外の減量治療との比較
(すべて日本では保険適応外)
ダイエット法や薬剤の使用があります。
それ以外の方法としては、それに対し、胃内バルーンは、局所麻酔(口腔内)と点滴で眠剤を使うのみで、しかも内視鏡で行うので傷は一切残りませんし、麻酔による危険性も最小限です。特に当院では通常の大腸内視鏡検査時にも同じ種類の点滴の眠剤を使用しているため、使い慣れており、また、対応にも慣れているため、非常に安全に行えます。胃内バルーンは一番体に対する負担が少なく、かつ安全な減量法といえます。
合併症(副作用)について (重要)

です。
以上より、基本的には非常に安全な手技と国際的に認識されています。頻度の高い合併症として、バルーン挿入後の胃部不快感、食欲不振、悪心、吐き気などがあります。これらはバルーン留置後数日間、ほぼ必ず起こると考えてもらってよいと思いますが、治療の問題となることは少なく、個人差がありますが通常は数日~1週間程度で治まります。どうしても症状が改善されない場合、バルーンを除去する必要があります。
その他、- 全く減量の効果がない可能性もあります(1%以下の確率)。
- バルーン内の液体に感染し、重篤な感染症を起こす可能性があります(非常にまれ)。
- 通常の内視鏡検査に伴う合併症。具体的には局所麻酔へのアレルギー反応、治療後ののどの痛みや違和感、内視鏡検査に伴う食道や胃などへの損傷など。これらも非常にまれです。
当院での経験上、バルーンは非常に頑丈、強固にできており、通常、破損するような事態は考えにくいです。
また、仮に魚骨などで孔が開いたとしても、バルーンは、簡単に内部の水が漏れない作りになっているので、すぐにバルーンが縮んで問題が起きる、ということはまずありえません。治療スケジュール

長期成績

胃を切ったりしているわけではないので、バルーン抜去後、身体的には体重が落ちた以外は全く治療前の状態と同じです。よって、バルーン抜去後に食事量が増えると、リバウンドが起こる可能性が十分にあるので、注意が必要です。
海外の治療を受けた100人の患者を対象とした治療試験では、治療終了時の平均体重減少は12キロで、1年後の平均体重減少は8.6キロでした。
また、別の140人の患者を対象とした試験では、3年に及ぶ経過観察で、40%の患者さまで、初回治療時減量体重の50%以上を減量できたままでした。つまり治療3年経過後、過半数以上の患者さまで減量した体重は徐々に増加していることになります。
これらの経過から言えることは、本人の努力次第で減量した体重をある程度維持していくことは可能ですが、リバウンドで体重が戻る可能性も十分にあるということです。胃内バルーンによる治療では、治療終了後の体重のリバウンドに対して保障するものではありません。
もしも体重が戻った場合、バルーンを再挿入して、再減量を行なうことは当然可能です。
その場合、改めて同様の治療を行なうこととなります。
支払いについて
当院での長期フォローアップの方針
一度胃内バルーンを用いた治療を行った後は、すぐに体重がリバウンドで戻っても、安全のため半年間はバルーンの再挿入はできません。






