甲北病院【神戸市北区】
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飲み薬によるダイエット治療について

ゼニカルの安全性

ゼニカルはすでに米国のFDA(医薬品などを認可する政府の団体で、その認可の検査、検定は非常に厳しいことで有名)で認可されており、米国では肥満の治療薬として使われています。
実は米国だけでなく、ヨーロッパ各国でも肥満の治療薬としてゼニカルは使われています。
そして、その安全性は十分に吟味検証され、非常に高いことが証明されています。
また、当院でも院長及び他の院内のスタッフで治験的にゼニカルを内服してみましたが、(短期間のデータですが)副作用らしい副作用は一切ありませんでした。

ゼニカルの効果の限界

糖質、タンパク質、脂質の三大栄養要素は、消化吸収されるとそれぞれ糖分、アミノ酸、脂肪酸に分解され、最終的にはグリコーゲンや脂肪に変化します。
つまり、何を食べても多すぎれば太る、ということです。
ただ、糖質とタンパク質(アミノ酸)は1gあたりのエネルギーが4キロカロリーであるのに対して、脂肪は1gあたり9キロカロリーのため、脂肪が体のエネルギー源としては最も効率が高いのです。
しかし、すでに述べたようにゼニカルはあくまで脂肪吸収の阻害剤なので食べた脂肪はそのまま排泄されますが、糖分とタンパク質はしっかりと吸収されます。
このため、ゼニカルを飲んでいるからといって安心して食べていると意味はありません。
何も食べない、極端に食べる量を減らす、というダイエットをしなくても良い、というだけで、食事制限、カロリー制限は絶対に必要ですし、そのような気持ちで治療に臨んでいただく必要があります。
また、誤解の無いようにここで述べておきますが、ゼニカルにはすでに皮下や内臓周囲についている脂肪を取り除く効果は全くありません。

ゼニカルでどれくらいの効果が期待できるか?

ゼニカルを続けて内服し、食事量にそれなりに気を配り、生活していただいた場合、1年間で5~7キロの減量が期待できます。
本人の努力次第でこの数値は大きく変わりますが・・・。
ゼニカルには、当院で行っている胃内バルーンと違い、治療期間に制限はありません(ビタミン不足によるビタミン欠乏症症状が出れば一時的に内服を中止する必要はありますが)ので、患者さんが希望される限り、治療を続けることができます。
ですから、仮に1年で5キロしか減量できなくても、そのペースでの減量を続けることができれば、2年、3年と続ければ、10キロ、15キロ、と減量が可能なことになります。
自分のペースで長期間減量ができるというのがゼニカルの利点です。

ゼニカルの飲み方

肥満大国アメリカのゼニカルの使用法は、朝、昼、夕の食前、食中、または食後1時間までに1カプセル服用、つまり1日3回服用すること、となっています。
しかし、欧米の肥満の方と日本人では食事の内容、食生活が大きく異なります。
勿論、薬を使用される方の食事量、カロリー摂取量にも影響されますが、日本人ではおおむね1日1~2回の内服で十分のようです。
油っこい物を食べすぎた時などは、臨時でその時々に合わせて追加で内服するのも良いでしょう。
反面、何らかの理由で食事を抜いた場合、ゼニカルを摂取する必要は全くありません。
ゼニカルの効果は食物脂肪と一緒に摂った時にのみ現れるのです。
仮に飲み忘れたことがあっても、その後に1回に2カプセル服用することは絶対にしないでください。
2カプセル服用しても効果が上がるわけではありません。
また、1日に3カプセル以上飲んでも、それ以上効果が上がらないこともすでに証明されています。

ゼニカルの副作用

ゼニカル自体はほとんど体内には吸収されないので、腎臓、肝臓その他体内の臓器に対しほとんど副作用がないことが確認されています。
また、アルコールや他の薬剤の影響をほとんど受けないことも確認されています。
しかし、ゼニカルの処方を受ける際には、必ず自分の病気と、現在飲んでいる薬を医師に知らせるようにしてください。

臨床的に一番問題となるのは脂溶性ビタミン(具体的にはビタミンA、D、E、Kのことを指します)の吸収障害です。これらのビタミンは脂肪とともに吸収されるため、脂肪の吸収を阻害するゼニカルの影響を受けます。

このため、ゼニカル服用中はこれらのビタミン不足を補うためのビタミン製剤を同時に飲んでいただきます。
ビタミンB類やビタミンCなどの水溶性のビタミンはゼニカルの影響を受けません。
ビタミン剤は当院でゼニカルと一緒に処方します。医療責任の問題から、ビタミンの処方を拒否する方にはゼニカルも処方できません。

 
また、実生活として問題となるのは、腸管からの脂肪吸収障害に伴う、油分の便中排泄によって起こる下痢です。

日本での報告では1日3回の内服を続けていると下着を汚してしまう、ということが度々起こるようです(勿論個人差があります。このため、日本人には1日3回の内服は多すぎる、というデータがあります)。
また、ガスの排泄が多くなり、排泄されたガスの臭いもきつくなる傾向があるようです。

当院での治験経験からは、ゼニカル内服による下痢の発症は少ないと思われます。

実際には、食べた食物の中の油が、そのまま便と一緒に排泄されますが、便は多少柔らかくなっても下痢にはならず、油も便と一緒に排泄される、という感じです。
例えば油のたっぷり入ったラーメンなどを食べた後は、便より先に油だけが排泄されることがあります。
このような時に、下着を汚してしまうことがあるようです。

ゼニカル内服の禁忌
  • 118歳未満の方には処方できません。
  • 2妊娠中、授乳中の方は服用できません。
  • 3栄養失調の方、何らかの、腸管からの吸収障害の病気を持っている方は服用できません。
  • 4アレルギー体質の方は内服できない場合があります。
ゼニカルの処方について

処方の際には診察が必ず必要です。
そして、処方前に血液検査、体重測定、血圧測定などをします。
ゼニカルの処方の際には必ずビタミン製剤も一緒に処方します。
脂肪吸収障害による副作用(ビタミン欠乏症など)の出現がどの時点であっても起こりえますので、原則処方は毎回1ヶ月分(28日分)になります。
毎月診察、問診し、特に体調などに問題が無いことを確認してから処方を継続することになります。また、血液検査も定期的に行います。

管理栄養士によるカウンセリング

当院では管理栄養士による食事療法のカウンセリングも行っています。
減量の治療を受ける患者さんは、ゼニカルを処方された患者さんであれ、胃内バルーンを留置した患者さんであれ、必ずカウンセリングを一度は受けてもらうようにしています。

減量の治療について、質問、気になることがありましたら078-981-5456までご連絡ください。担当医師は近藤 幹です。
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