診療科紹介

専門医療

減量外来

減量外来について

減量外来は水曜日と土曜日の午後で、完全予約制です。減量外来は、平成22年から当院で行っていた胃内バルーンを用いた減量療法を多角的に発展させたものです。
減量外来の治療の中軸となるのは、

  • 服薬による減量療法
  • 胃内バルーン留置による減量療法
  • 栄養指導

です。これらを単独、または組み合わせて治療を行っていきます。

胃内バルーンでの減量療法を平成22年から開始し、現在甲北病院は国内では、トップクラスの症例数を誇るまでになりました。しかし、胃内バルーンをただ単に挿入するだけでは減量はできません。やはり患者さん本人の努力と減量に対する強い気持ちが伴わないと減量は成功しないのです。

減量に失敗する原因

栄養指導、食事療法、そして運動療法では自ずと限界があります。皆さんも、こういった減量を行おうとして、失敗した経験があると思います。ずっと食事制限を続け、そして日々の忙しい中、定期的に運動を行う(具体的によく言われるのは1回30分以上、週3回ですが)。
これがいかに根気を必要とし、難しいことか・・・。
統計的にも、食事療法と運動療法のみでの減量失敗率は95%以上です。
また、一旦減量に成功しても、そのリバウンド率も、90%以上です。
如何に「言うは易し、行うは難し、」であるか、ということです。

減量のためには、本人の強い意思と努力が不可欠なのは間違いありません。しかし、心身的にストレスのかかる努力を日常生活の中でずっと続けていくのは非常に困難です。
胃内バルーンの治療を行いながら日々、いかに患者さんの減量に対するストレスを減らせるかを考え、いろいろな情報を解析して、たどりついたのがこの減量外来なのです。
毎日少しずつは努力しつつも、そのストレスを出来る限り減らし、かつ減量が成功できるように治療内容を考えました。そしてたどりついたのが内服薬による減量治療なのです。

当院での減量方法

当院の減量外来の中核を担うのは、内服薬による治療です。
内服薬は、腸管での脂肪の吸収を抑制する薬、食欲を抑制する薬、そして炭水化物の吸収を抑制する薬、尿で糖分を排泄する薬、漢方薬、を準備しました。
どの薬も、特別な薬ではありません。特別高価でもなければ、変な副作用があるわけでもないのです。
当院では、私自身も実際薬を内服し、その内服の用量方法を独自に検討、工夫し、減量に効果的な飲み方を開発しました。同じ薬を内服するにしても、その内服のしかたと組み合わせで減量効果は大きく異なって来る事がはっきりとわかりました。そして、その用量と組み合わせは個々の患者さんの生活スタイル、食事のスタイルによっても異なります。
そのような情報も当院の減量外来では加味して、個々の患者さんのライフスタイルに合わせた処方を行っています。

勿論、減量は水ものです。
すべての患者さんで、患者さんの期待通りの結果が出るわけではありませんし、その保証もありません。
しかし当院の平成25年からの2年間の実績では、90%以上の患者さんで減量効果を認めており、25%、約4人に1人の患者さんで10キロ以上の減量に成功しています。
多くの患者さんが満足できる結果をこれまで得られてきたと自負しています。そして、多くの患者さんはまだまだ治療の継続中です。
特にBMIが35を超えるような肥満の方の減量は一朝一夕には成し得ません。
しかし、これまで減量を失敗した方、また、これから減量をしたいと思っていてもなかなかそのきっかけがつかめない方は、是非一度当院減量外来を受診していただきたいと思います。
減量外来は完全予約制で、基本自費診療になります。
BMIが40を超えるような重度肥満の患者さんには十分な減量のあと、たるんだ皮膚や余分な脂肪を切除する手術も行っています。
このように、内科的減量、胃内バルーンによる減量、そして外科的皮膚及び脂肪切除と、「集学的肥満治療」を実践しています。